午睡と虫養い

観た映画・ドラマの感想。時々漫画と本も。

ブリジャートン家

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ブリジャートン家 (画像は公式サイトのスクリーンショット

www.netflix.com

 

『ブリジャートン家』についての参考記事。

www.cinra.net

 

「過激な性描写云々」という記事も観たので二の足を踏んでいたのですが、「Netflix史上最大のヒットシリーズ」「ナレーションはジュリー・アンドリュース」ということで観てみました。2021年2月7日〜9日で視聴完了。

 

面白かった!!!!!!!

 

日曜の午後から観始めたことを悔やんだよね…土曜日から観ていたら土日で一気見できたのに!(ちなみに火曜深夜に観終えました) まあそれはともかく! そりゃ史上最大にヒットするのも頷ける面白さでした。

 

まず、単純にストーリーが面白い。私は疲れるとハーレクインロマンス(漫画の方)を読みまくる癖があるのですが、うん、『ブリジャートン家』はハーレクインロマンス! 非常に秀逸なハーレクインロマンス! 満足!! いろいろあっても最後はハッピーエンド!!

 

※ちょっとここでハーレクインロマンスについて語ります。

ハーレクインロマンスというと、ひょっとしたら「エロい」「ありきたりなラブストーリー」みたいなイメージがあるかもしれません。というか、私は長いことそういうイメージを持っていました。特に小説版の方なんて、表紙からして官能的だったりするもんな…

しかし! しかしだ! 「出会って惹かれあって結ばれる」というのが大まかな筋ではありますが、そのバリエーションがすごいのよ! 

登場するヒロインは生粋のお嬢様/貴族/王女から貧乏ガール/才女/冴えない容姿の子まで多種多様だし、対するヒーローもボンボンから苦労人まで様々。*1ヒーローに関して共通してるのは「容姿端麗でお金持ち」ってくらいだと思います。

そして脇役には病気や依存症、障害を抱えた人物も結構な頻度で登場します。ヒロインやヒーローの引き立て役ではなく、物語に必要なキャラクターとして登場しているのです。この点、私にとってとてもポイントが高い。ドラマや映画では、いまだに登場することすら少ないですから。

「ハーレクインロマンスでのマイノリティの扱い方は素晴らしい!」とまでは言いませんが、「結構な頻度で」登場しているというだけでも、ハーレクインロマンスはなかなか侮れないレーベルですよ。

 

閑話休題

 

『ブリジャートン家』は19世紀初頭のイギリス上流階級が舞台です。というわけで、未婚の若い女性は結婚するのが何よりもまず重要で、主人公ダフネの社交界デビュー及び婿探しから物語は始まります。

設定が設定なので、ダフネはじめ女性たちは家柄や社会通念に縛られて窮屈そうではあるのですが、そこは現代に作られているドラマですよ。ダフネは「私の意思は? 女は黙ってろって?」と折に触れ意思を主張するし、妹のエロイーズは「社交界デビューして結婚して家に入るなんて耐えられない」と嘆き、どうにか抗おうとします。

19世紀初頭のイギリス上流階級の話なのに、その枠の中で現代的な価値観や現状を打破しようとする様が表れているのは、とても面白かったです。

 

多様な人種が登場しているのも良いですね。といってもブリジャートン家の世界では「王妃のおかげで我々の地位が上がった」と軽く触れられる程度で、肌の色で差別を受けるといった表現は出てきません。

私は実を言うと、実写版『美女と野獣』を観たときに黒人キャストが多数配役されていることに多少違和感があったんです。作中の時代設定を考えたらやっぱりちょっと…みたいな。でもね、そんなのはただの言い訳でしたね。確かに史実と照らし合わせたら「事実と異なる」と言うことになるでしょう。しかしこの現代に作られているお芝居なのだから、誰が何の役を演じたっていいんですよ。そうでなくちゃむしろおかしい。もう2021年ですよ。

それに(語弊がありますが)、観ているうちに「いろんな人種が登場していること」に慣れてくるんです。慣れてしまえばどうってことない。みんなに必要だったのは、この「慣れ」だったんじゃないかという気がしています。

もちろん、苛烈な人種差別があったことは忘れてはならないし、これからも学んでいくべきことです。それはそれとして、人種や肌の色に関係なくキャスティングされる、脚本家や監督等が起用されるということはあらゆる意味で、全ての人に必要で、当たり前としなくてはならない…と感じました。

 

ところで「過激な性描写」と書かれている記事も読んだので身構えていましたが、実際に観てみると「非常に健全なAV」って感じでした。いやほんとに。

ちょっとネタバレになりますが、冒頭からそういうシーンがちょっぴり映るんですよ。そこだけ「おい何やってんだ」と思いましたが、でもそれ以外は「ガッツリ映る」という意味以上のことはなかったです。

何より、性描写で登場するどのカップルも、相思相愛なんですよね。片方が拒否しているのに、無理矢理…みたいなシーンは一切ありません(ここはGOTとは一線を画すところです)

第6話なんてすごく性教育の教材として良いんじゃないかって気がしましたよ。えっ言い過ぎ? しかし一般的に男の子が見るようなファンタジーとしてのAV、下手すれば相手を蹂躙するような描写すらあるようなAVより、ずっと健全で良い性描写だと思いました。ほんとに。

(ハーレクインロマンスでも、ヒロインの方が「コンドームは?」と聞いたりヒーローが「ピルは飲んでる?」と確認する場面が結構な頻度で登場します。こういうシーンを取り入れるのは、性描写を扱うフィクションではすごく大事だと思うんですよね)

(韓国ドラマ『青春の記録』では主人公と男友達二人で子宮頸がんワクチンを接種しにいくシーンがありました。ストーリーの中で自然に取り入れるのは難易度が高いかもしれませんが、それでもなんとか頑張って取り入れて欲しいなあと一視聴者として思っています)

 

まだまだ感想が書ききれませんが、ひとまずこの辺で。シーズン2の制作も決定したそうですし、続編楽しみです〜〜〜〜!!!是非ともブリジャートン家全員のロマンスやって欲しいわ〜〜〜〜〜

 

 

一つだけツッコミ。

 

 

おいダイヤのネックレスどうなった……!!!!!

 

*1:あっでも私が読んだ限りでは有色人種ヒロインはいなかったかも…とはいえ、最近は登場してるかもしれませんね。