チェリー
2021年3月27日に自宅にて鑑賞。
「お、トム・ホランドが出てるぞ」と軽い気持ちで観始めたんですが、全然軽い気持ちで観られるものではなかった…
戦争物の映画は数多くありますが、私があまり好んで戦争物を観ないこともあって、こうした一兵士のが体験した訓練と戦闘、その後の生活を描いた映画を観るのは初めてでした。
「なんでこうなっちゃったんだろう」と考えると、やっぱりエミリーがいきなりカナダの大学に行くわ、なんて言い出したのが良くなかったんだろうな…とは思うものの、散々悪友たちが「軍隊はやめとけ」というのにそれを選んだのはなんで、何でなのーーーとも思いました。
それにしても訓練ひっどいな。*1
冒頭からナレーションはトム・ホランドなのに、PTSDに苦しめられ始める辺りからナレーションが少なくなっていくんですよね…自我が保ちにくくなっていたんだろうか。
エミリーも成長の過程で過程でいろいろあったようですが、2年待つとか一緒に薬に溺れるとか、共依存ぽくなってるよね。
主人公が薬や犯罪から逃れられる唯一の方法が、問題起こして逮捕されること、というのがまた辛かった…人一人がそうなる前に、社会に、政治にできることはたくさんあるはずなのに。『この世界の片隅に』でも強く思いましたが、どんな大義があろうともやっぱり戦争はダメなんですよ。心ある人はどんどん死んでしまうか精神を病むし、そんなことお構いなしな人間ばかりがどんどん組織で上の立場になってしまう。良いことひとつもないぞ。
しかしだ。ラストは私はちょっと納得がいかないというか、これは結局また同じ道を辿るのでは…?と思ってうっすら背筋が寒くなったんですよね。二人は幸せそうだったけど。悪いこと言わないから、君たち別れた方がいいと思うんだよ…
なんというか、観賞後行き場のない感情に困りました。ほんと、主人公とエミリーと、その周辺の人たちみたいな人を生み出さないためにはどうしたらいいんだろうか。はあ…
余談。
Apple TV+ を、初めてAirPods Proの空間オーディオ機能で視聴してみました。いやはやすっごいよ!!!音質だけだったら劇場での音響にも全然負けてないんじゃない!?「私本当にイヤホンつけてる?」と何度か確認してしまったくらいでした。本当に素晴らしいオーディオです!!
*1:でも既視感もあって、それはあれですよ、学校における運動会の練習やら集会やらで扱いですよ。日本の教育は図らずも(いや意図的か?)こうした兵士を育てるような指導をしているよなと、映画の本筋とは全然関係ないことを考えたりしました。