午睡と虫養い

観た映画・ドラマの感想。時々漫画と本も。

『MIU404』第8話「君の笑顔」

2020年8月14日金曜日放送。以下の感想には重大なネタバレが含まれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガマさんの言葉について書いておきたくて。

 

「あの子に」

「伊吹に伝えてくれ」

「お前にできることはなかった」

「何もだ」

 

これ、ガマさんは言葉通りの意味で言ってると思うんですよ。伊吹への優しさとか気遣いから出た言葉じゃないと思う。

伊吹がどのタイミングで何をしようと何を言おうと、自分はこの道を選んだ。

それを率直に表した言葉だと思うのよ。

 

そもそも「伊吹にとってのガマさん」と「ガマさんにとっての伊吹」は、重みがだいぶ違うんじゃないかと……こう言ってしまったら伊吹が気の毒すぎるけれども。

伊吹にとっては本人が言っている通りかけがえのない恩人だけど、ガマさんにとっては「たまに会って飲んだりはするけれど、刑事人生で出会ってきた中の一人」程度のような気がする(書いていて「伊吹にはとても言えない……」と暗い気持ちになってしまう……)

 

5話で初登場した時のガマさんに、実はちょっと違和感があったんだよな。伊吹の懐きっぷりに対して、ガマさんはそれほどでもないなあって。

時系列的に言うと、あの飲みがあった日はガマさんが「事故のことは思い出している」「犯行前」らしく*1、「犯行を決意していたからちょっと態度が変だった」とも言えるのですが……

 

7話で陣馬さんが言った「完全に閉じちまった人間の手は掴めねんだ」という台詞が思い出されました。

陣馬さんがそう言ったのは、時効成立を狙ってトランクルームに篭り続けた挙句に更に罪を重ねてしまった大熊を評してのことで、ガマさんは大熊とはだいぶ違うんだけど。 

 

私はガマさんが言っていた通り「伊吹にできることは何もなかった」だろうと思っています。

でももし伊吹が頻繁にガマさんと連絡を取っていたら。

「あれ、ガマさん電話に出ないけど何かあったかな?」と事故に気づくくらいに日頃から連絡を取っていたら。

こういう結末にはならなかったかもしれない、とは思いました(とても伊吹には言えないが)

 

 

脚本の野木さんがTwitterで「終わりが見えてきた」と呟いておられたので、全10話になるのかな。1話でも多いと嬉しいのですが。

 

*1:だとすると「お前は人を信じすぎる」の言葉が、観ているこちらの胸をグサグサ突き刺してくるね!