午睡と虫養い

観た映画・ドラマの感想。時々漫画と本も。

スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~

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gaga.ne.jp

 

劇場鑑賞してきました! 今月からまた徐々に新作公開が予定されているので嬉しい。

感染対策で席が間引きされているし、朝一の上映回だったにもかかわらず、割と人が入っていたのがこれまた嬉しかったです。

 

冒頭のシーン、自閉スペクトラム症を身近に知る人には「あーあるある〜」ですが、知らない人が観たらびっくりするでしょうね。

ブリュノとマリクの献身ぶりには頭が下がります。ほんとにね、こういう人たちのおかげで今日を生きていける家庭が数多くいるんですよ……行政も決して無策ではないけれども、無策ではないように今現在まで持ってきているのはまた、こうした市井の心ある人たち。

ブリュノとマリクがなぜこういうことをやっているのか、それに至るまでの歴史みたいなものも知りたかったけれど、パンフレットによるとその辺は敢えて書かなかったようです。確かにそれを描いちゃうとそちらの方が主眼になってしまうものね。描かなかったのは正解だったと思います(知りたいけど)

 

しかし、最後テロップで伝えられたこと、あれむかつくのが正解だと思いますよ。結局行政は「こっちじゃできないんで、まあ一応認めてあげるから引き続きよろしくね」って言ってるのと同義ですからね。全然良い話では終わってない。ブリュノとマリクは確かに施設を守ったけれども、行政がブリュノとマリクにただ乗りしてる現状に変わりはないわけで。その辺どの国も大して変わらないんですかね……行政もっとしっかりしてくれ。

 

ダンスのシーンは唐突で正直少々面食らいましたが、良いシーンでした。あんな風に暗いところで集団でダンスできるってすごいことだよ。

 

そうだ、劇中でさりげなく(でもないけれども)それぞれ信仰する宗教の描写があります。パンフレットによると、かなり気を遣って、でも削ることはできないということで盛り込んだそうです。

日本だと無宗教だという人が多いし、私も大して何かを信じているわけではありません。

でも、子育てをする中で、何かを信仰した方が心の安らぎになるだろうかと、例えば教会に行ってみようかな、と思ったことがありました。結局行かなかったんだけれど。

彼らにとっては、信仰とはどういうものなんだろう。いまやっている仕事と何か関係があるんだろうか。

映画では敢えて描かれていない部分ですが、モデルとなった実在の二人(ステファン・ベナム氏とダーウド・タトウ氏)のインタビューか何かがあったら読んでみたいです。