わたしに無害なひと
2021年3月18日読了。
七篇の小説が収められています。
どれも結構重たかった…でも、こういう「あ、確かに私も感じたことがある」という痛みを言語化してくれる人がいるというのは嬉しく、頼もしく思います。
「付かず離れず」または「付いたり離れたり」の関係がよく登場します。濃淡のある関係というか。この辺の描写も上手いなあと感嘆しました。
先ほど『あのこは貴族』の感想を書き上げたのですが、韓国も階級差というか、経済格差や家庭格差みたいなものがあるよね(どの国にもあるのでしょうが、日本や韓国は特に、それが見えにくい上に堅牢で破壊しにくい気がします)
さらにそこに男女差別や自意識や優越感や劣等感や……いや、本当によく言語化できるなあ。
かなりずっしりくる物語ばかりですが、良い短編集(中編集?)でした。