午睡と虫養い

観た映画・ドラマの感想。時々漫画と本も。

空のハシゴ:ツァイ・グオチャンの夜空のアート

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空のハシゴ:ツァイ・グオチャンの夜空のアート ※画像は配信サイトのスクリーンショット

www.netflix.com

 

2022年1月20日Netflixにて鑑賞。

↓こちらのツイートを拝見してホイホイと観ました。

 

坂東祐大さんは『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年春ドラマ)の音楽を手掛けられた作曲家で、私はサントラが気に入ってそれはそれはヘビロテしております。で、坂東さんはいろいろな仕事に関わっておられていて、それと知らず私は「好き!」と思ってよく聴いていたんですね。例えば米津玄師の『海の幽霊』『馬と鹿』とか、もちろん『感電』も、本当に美しい編曲だなあと思っていたんですよ。それから『ユーリ!!! on ICE』も実は坂東さんでした…!一番びっくりしたのがEnsemble FOVEが坂東さん主催だったっていうね!

 

ZINGARO!!!

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なぜか私、iTunesでダウンロードしておりました…好きなものって一貫してるもんだな…

 

閑話休題

お正月に放送された ROCK to the CLASSIC PART 5 - NHK というラジオ番組で坂東さんがホストを務めておられました。その番組の中で「この『花火』は中国の花火」と仰っていたのが印象に残っていて、今回前述のアルバムが出るにあたり、じゃあ理解を深めるためにぜひ観てみようと思ったんです。うん、前置きが長いね!

 

 

アートは鑑賞するのは好きだけれど全く詳しくはないので(観てはすぐに忘れてしまう…)ツァイ・グオチャン氏のことも全く知らず。だったのですが!凄いね!凄い!!

私は「なんだかんだ言っても花火は日本の花火が一番!」なんて思っていたのですが、文化が違うんだよな、そもそも。中国の社会の中で爆ぜる花火は、もうとにかく「合っていて」、ああ、これがこの土地の花火なんだ…!と強く思いました。

 

アーティストは、その発想や造詣力もさることながら、粘り強さ、「こうしたい」という気持ちを持ち続ける力が強い人達なんですね。中国、日本、そしてニューヨークと移り住みながら、ツァイ氏が創り出してきた作品に圧倒されました。これは生で見てみたいな〜〜〜〜

 

「空のハシゴ(スカイ・ラダー)」プロジェクトでは、プロジェクトの開催地の現地の人達を巻き込んで、町おこし的な意味も含んだ祝祭的な催しになっているのも印象的でした。ツァイ氏としては「祖母に見せたい」と言う個人的な思いが強かったとは思いますが。

成功を見て、奥様が万感の思いが溢れて涙されていましたね…ドキュメンタリーの前半で、駆け足ながらツァイ氏の半生が紹介されていて、それでは概ね順風満帆に見えたのですが、そばにいる者としては色々と思うところがあっただろうしなあ(実際、ドキュメンタリーの中で「『空のハシゴ』は金食い虫です。夫はそれに囚われています」とも言っていたし)

それにしても「空のハシゴ」は美しかった…!!

 

 

さて、確かにこの作品を観てから坂東祐大氏の『花火』を聴くと、解像度が爆上がりしました。観賞後の方がより音楽も楽しめます。ドキュメンタリーやアートなんて観ないよ、現代音楽とか興味ないよ、という方も、ぜひ騙されたと思って観て聴いてほしい。大変良いものを観ました。