午睡と虫養い

観た映画・ドラマの感想。時々漫画と本も。

2022年1月期ドラマ『ミステリと言う勿れ』についての重箱の隅をつつく的なあれこれ vol.01 ※追記あり

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ドラマ『ミステリと言う勿れ』 ※画像は公式サイトのスクリーンショット

www.fujitv.co.jp

 

 

珍しく雑記です。どうしてもちょっと書き残しておきたくて。

 

田村由美先生の『ミステリと言う勿れ』を実写ドラマ化した本作品。2022年1月開始のフジテレビ月9ドラマとして絶賛放送中です。

私もドラマ化決定の一報から楽しみにしていましたし、今のところ毎回とても楽しく観ています。ちょっと原作と違うかな〜というキャラクターも、回を重ねるごとに「もう○○にしか見えない!」ことが多く、役者さんたちも良い人たちを揃えているなあと思います。基本的に大変好意的に視聴しています。

 

というのを大前提とした上で。

 

1.なぜ愛珠を「妹」設定にした

 原作の愛珠は犬堂ガロ君の「姉」設定なのですが、なぜかドラマでは「妹」に設定が変更になっていました。何故変更したんだ…瑛太より白石麻衣の方が若いから? でもドラマなんだし実年齢関係なく「姉」のままで良かったんじゃないだろうか。謎。

 それだけならまだしも、ガロ君のセリフは原作のまま「あの人」「女王様」「愛してた」だったんですよ。これさーーーー設定を変更するなら「あいつ」「お姫様」「大切な人だった」とか、セリフも変更するべきでは? 大体「姉」「弟」だからガロ君の心理も理解できることも多いのに、「兄」「妹」だとニュアンスが変わるというか関係性が根本から変わっちゃう。まあそれを百歩譲ったとしてだ。だったらセリフも変えなきゃダメでしょーーー

 

2.ミステリー会になぜ風呂光さんを参加させたのか。

 いやわかるんだ、ドラマ的にはこれ以上登場人物は増やさないほうがスッキリするし視聴者にも分かりやすい。そういう事情ってある。一応月9だし、恋愛要素(っぽいもの)を入れたいという誰かの要望があったのかもしれない。誰だかは知らんけど。

 でもね、よく考えたら、「男ばかり」「しかも初対面の人間の方が多い」というミステリー会に、女性が一人で参加しますかね? 通常ならしないと思う。たとえ、「ちょっと気になる存在」の整君と、その恩師が参加しているとしても。それに天達先生も普通なら「女性一人だけ」を誘わないでしょいくら何でも。 

 冷静に考えると、風呂光さんの参加には相当無理があるよね…

 夕飯のバーベキューでも、風呂光さんが手伝っているのも「何だかな」という気分でした。原作だと整君ともう一人の天達先生の教え子(原作読み返しました。「相良レン」くんでした)が「バイトとして」そうした雑務を負ってる設定になっているんです。片やドラマでは「ただ誘われたから来ただけ」の立場で、なのに使役されるっていうのはなーちょっとなー。モヤモヤします。

 

3.蔦のセリフとしては嫌味が過ぎてしまう

 「接客経験あるの」「小学校の先生? 向いてないんじゃないの」等、蔦さんが言ったセリフのほとんどは、原作では整君と同じ大学に通っている天達先生の教え子(男で整君と同学年)が整君に言うセリフです。

 これもさ、同学年だからこそ言えるセリフだと思うんですよ。失礼でストレートな物言いは、(学年が同じというだけのことでしかないとはいえ)フラットな立場同士でないと言いにくい。角が立つ。

つまり、恩師の友人で屋敷のオーナーで年上の男性が、20歳そこそこ?の整君にいうセリフとしては意地が悪いんですよ。このセリフに対する整君の回答は作品でも大事なところなので削れないでしょうが、にしても蔦さんに問いかけさせるのはどうなのよ。

 

4.クラシック音楽の多用。慣れてきたけど捻りが欲しい。

 第1話から「BGMがうるせええええ」と思っていた有名クラシック音楽の多用ですが、これには慣れてきました。ちょっとコミカルに使われていたりもしますが、おかげで「実は結構殺伐としている」『ミステリと言う勿れ』を上手に和らげていると感じます。やかましいほどに使われている分、いざと言うときの無音演出もとても生きますし。

 ただ、これだけ使うんだったら大事なシーンでは何かしらの意図が感じられる選曲にしても良かったんじゃないかなあと。単に楽しそうな曲、シリアスな曲、ではなく。「この曲にはこういう裏話があって、そのためこのシーンで使うのが適切」みたいに考えて使って欲しいなー。とね。

 

5.風呂光さんというキャラを大事にしてほしい(追記)

 風呂光さんは原作ではさほど登場しません。でも大事なところで登場する人です。

 伊藤沙莉ちゃんは好きな俳優さんなので、出番が増えればそりゃ個人的には嬉しいです。でもね、この風呂光さんの登場のさせ方と風呂光さんのキャラの扱いと、そして演じる伊藤沙莉ちゃんには、現状結構失礼な取り入れ方になってしまっていると思います。出番を増やすなら増やすで良いんだ。恋愛要素も入れたければ入れればいい。でもさ! 世界観とキャラクターを壊さないっていうのは、キャラと演じる人に対する最低限の礼儀じゃないかなーーー

 

 

昨日第8話を観て、どうしてもモヤモヤが収まらなかったので、ついでにこれまで特に感じていた違和感について書いてしまいました。

冒頭に書いた通り、全体的にはほんと楽しみに観ていますし、作り手の皆様は原作を大事に扱ってらっしゃるのもよくわかるんだ。わかるんだけれども。それだけにモヤモヤが収まらなかったんだね…

 

ともあれ次回以降も楽しみにしています! がんばれ整くん!